会社を退職して、フリーランス(個人事業主)として新たな一歩を踏み出す――。
ワクワクする反面、「手続きって何をすればいいの?」と不安になる方も多いはずです。
このページでは、退職後に必要な手続きや、個人事業主として活動を始める際のポイントをわかりやすくまとめました。
退職後に必要にな書類は何?
退職後の手続きで必要な書類は、会社から受け取るものと自分で用意するものがあります。
会社から受け取る書類
退職時に会社から受け取る書類は6つあります。
- 雇用保険被保険者離職票(退職後に送付)
失業手当を申請するときに必要。 - 雇用保険被保険者証(退職日に手渡しか退職後に送付)
失業手当を申請するときに必要。雇用保険の加入時に発行され、会社に預けている場合は受け取る。
ハローワークで再発行の手続き可能 - 健康保険被保険者資格喪失確認通知書(退職後に送付)
健康保険の切替手続き
健康保険の被保険者資格の喪失日、または扶養者でなくなった日などを証明する書類。 - 年金手帳(退職後受け取るまたは自身で保管している)
年金の手続きに必要。紛失した場合は管轄の年金事務所で基礎年金番号通知書を発行してもらう。 - 源泉徴収票(退職後に送付)
転職先で年末調整するとき、自分で確定申告するときに必要。 - 退職証明書(退職後に送付)
転職先が決まっていない、次の入社までに期間が空く場合に、国民健康保険や国民年金の手続きで必要。
自分で用意するもの
身分証明(マイナンバーカードなど)や印鑑、預金口座番号がわかるもの。
失業給付の申請をすると「雇用保険受給者証」を受け取れます。
雇用保険受給資格者証はいつもらえる?
雇用保険受給資格者証は、離職後にハローワークで求職申込みをし、受給資格が認められると交付されます。受給資格確認後、指定された「雇用保険受給者初回説明会」で渡され、今後の手続きや給付に必要な証明となります。説明会は、住所地を管轄するハローワークで開催されます。
退職後にやることリスト
💸 1「失業給付」を受けとる申請をする
会社から「雇用保険被保険者離職票」が届いたら速やかに、管轄のハローワークで手続きを行う
- 自己都合退職は1か月の給付制限期間あり
- 働く意思があること、求職活動の実績が条件
(月に2回の求職活動報告 面接や求人検索など) - ハローワークでの必要書類
・雇用保険被保険者離職票(1、2)…返却されないので提出前コピーしておく
・個人番号確認書類および身元確認書類(マイナンバーカード)
・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
・最近の写真2枚※マイナンバーカード提示で写真不要
・印鑑(認印)
退職後、失業保険の申請を行うには、退職日から10日以内にハローワークに行き、失業給付の手続きを行います。この申請には、退職証明書や雇用保険被保険者証、身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必要です。ハローワークで受け取った書類を基に、給付金の額や支給開始日が決まります。失業給付は、求職活動をしながら受け取れるので、条件を満たしていれば給付が開始されます。
– 補足「再就職手当」の受け取り方
申請期限は、就職した日の翌日から一カ月以内
再就職手当は、失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合に支給される制度です。
再就職手当の必要書類
・再就職手当支給申請書
・関連事業主に関する証明書
・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
支給時期
・再就職手当の支給は、一定期間をかけ支給要件の確認や調査を行うので、申請書を受理してから一カ月半ほどかかる。
再就職手当を受給するための条件
・待期期間(7日間)終了後に就職・起業している
・就職前日までに失業認定を受け、給付日数の3分の1以上が残っている
・前の勤務先に再就職していない
・1年以上働く予定がある
・雇用保険に加入している
・過去3年以内に同様の手当を受けていない
・受給資格決定前に採用が決まっていなかった
・自己都合退職で給付制限がある場合、ハローワークの紹介で就職している
支給額:支給残日数 × 基本手当日額 × 支給率
支給率
60%:所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合
70%:所定給付日数の3分の2以上を残して就職した場合
– 「フリーランスしながら失業給付」はもらえる?
- 原則「就職=失業保険の給付停止」
- 開業届を出すと失業状態ではなくなるため受け取る事はできない
- もらうには再就職する意思があり、ハローワークに通い職を探す必要がある
失業保険を受け取る手順
1:ハローワークで失業手当の申請をする
2:雇用保険説明会に出席する
3:ハローワークで求職活動を行う
4:開業に必要な書類を準備する
5:税務署で開業に関する書類を提出する
6:ハローワークで再就職手当の申請をする
👪 2 扶養に入る申請をする
退職後、被保険者が会社へ5日以内に届出をする
扶養に入る条件
対象者の年収が130万円未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること
扶養の流れ
1 退職後すぐに扶養に入る。
2 失業給付の支給開始日をもって扶養から外れる
3 失業給付支給終了の翌日をもって扶養に再び入る。
- 失業給付は基本手当日額3,612円以上(60歳以上の方は5,000円以上)をもらいながら扶養には入れないので支給されるタイミングで扶養を一時外外れる必要がある
- 扶養に必要な書類
【失業給付の受給前】
・年金手帳
・離職票の写し
【失業給付を受給終了して再び扶養に入るとき】
・支給終了と打ち出された「雇用保険受給資格者証」の写し ・・ハローワークで受け取る
扶養に入るには、年収が130万円未満(60歳以上や障害がある人は180万円未満)で、かつ、扶養する人の年収の半分より少ないことが必要です。退職した人は、退職前の収入ではなく、退職後の年末ではない1年間の見込み収入で判断されます。
もし基本手当日額が3,511円より高いため被扶養者になれなくても、受領終了後は扶養になることが可能です。その場合には受給資格者証のコピーを添付します。
🏥 「国民健康保険」の手続き
- 失業給付が支給が始まると扶養に入れないので、支給期間は国民健康保険に入る
- 14日以内に市区町村で国民健康保険へ加入
- 所得に応じた保険料/収入が低い人向けの減免制度あり
- 国民健康保険 必要書類
・健康保険の資格喪失日を確認できる書類(健康保険被保険者資格喪失確認通知書、雇用保険被保険者離職票、退職証明書など)
・各自治体所定の申請書(国民健康保険被保険者適用開始届、異動届など)
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
・印鑑
🧓 年金の手続き
国民年金の被保険者の区分
第1号被保険者 | 自営業者、学生、無職、その配偶者 →保険料は自分で納める 月額16,980円(特例免除あり) |
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第2号被保険者 | 厚生年金に加入している従業員 →保険料は給与から天引き |
第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている配偶者 →保険料は納めなくてよい |
ただし、失業状態にある場合は所定の申請をすることで保険料の支払いが“免除”されます。
「失業等による特例免除」について詳しく見る (日本年金機構)
免除に必要な書類
- 勤務先から交付される「雇用保険被保険者離職票」のコピー
- ハローワークから交付される「雇用保険受給資格者証」、「雇用保険受給資格通知」のコピー など
💰 住民税の支払い方法
前年の1月~12月の所得に対してかかる税金について、翌年の6月~翌々年の5月に渡って納めるのが住民税。
- 前年分の住民税が退職後も請求される
- 「普通徴収(自分で支払う)」へ変更
- 一括 or 分割払いが選べる
退職月によって住民税の扱いが異なります。
● 1~5月退職:手続き不要。残りの住民税は最後の給与から一括天引き。
● 6~12月退職:一括天引きの手続きが必要。しない場合は自分で納付(普通徴収)になります。
退職後は「確定申告」が必要?
退職した後、年内に再就職しなかった場合は確定申告が必要となります。確定申告は、1年間の所得にかかる税金を計算して申告する手続きです。確定申告に必要な書類を作成し、翌年の2月16日~3月15日の期間に税務署へ提出します。
📌 まとめチェックリスト
✅ 必要書類をそろえる
✅ ハローワークで失業手続き(希望者のみ)
✅ 健康保険・年金を切り替える
✅ 住民税の支払い方法を確認
✅ 扶養に入れるか確認(希望者のみ)
✅ 開業届や青色申告の準備(個人事業主として活動する場合)
フリーランスを始めるときの手続き
個人事業主の開業手続き
- 開業から1ヶ月以内に税務署へ「開業届」を提出。
- 青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」も同時に提出。
- 青色申告にすると最大65万円の控除が受けられる。
- 年収1,000万円以下なら消費税は免除(※初年度と翌年)。
- 確定申告が必要で、帳簿の作成も求められる。
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